フリーランスWebデザイナーである私が施しているSEO対策について紹介します。
前提として
ここで案内するSEO対策は、Webサイト制作初心者やSEO対策はなんとなく理解しているがうまくいかない方向けの内容です。SEOを専門としている方には向きません。
また、自社のサイトにSEO対策を施して成果を出したい方は、SEO対策をサービスの主軸として提供していて信頼できるSEO専門会社に依頼するのがベストであることをお伝えしておきます。これは、Webサイト制作会社であってもSEOもメイン事業の一つとして提供している会社も含みます。
SEOをメインのサービスとして提供していない、結果を保証していないWebサイト制作会社や制作者と、結果を保証しているSEO専門会社の大きな違いは、ノウハウと経験、結果の量です。メソッドの質は専門家の方が圧倒的に高い。餅屋は餅屋です。
ただし、SEOを主軸としていないWebサイト制作者でも、検索順位で上位表示という結果を出していることがあります。
私はフリーランスWebデザイナーとしてWebサイト制作を主事業にしていますが、いくつものページ(記事)を上位表示を果たしています。
これまでに投稿してきたWebメディアの記事を一例にします。
※スマホでは結果が異なる場合があります。
複合キーワードでありますが、多くのアクセスを獲得してきました。
小さなWebメディアでは、単一キーワードでの上位は難しいのですが、単一キーワードでないと結果が出ないわけではありません。複合キーワードで上位表示を果たし、結果を出すことができるのです。
私が施しているSEO対策は、結果を保証するものではありません。
ただ、結果を少し期待できるものではあります。
そのSEO対策を紹介します。
Webデザイナーが施す9つのSEO対策
1, キーワードを含むタイトル
Webサイト内のタイトルは、主に3つあります。
- サイト名
- ページ名
- 記事名
いずれも重要なコンテンツです。Webサイト単位や、ページ単位・記事単位でシンボルとなります。メインとなるキーワードを含めたタイトルを設定します。
タイトルを設定する上で意識すべき視点が2つあります。
- 将来のお客さまとなりえる人からの視点
- Googleからの視点
『人からの視点』と『Googleからの視点』でタイトルを調整する必要があります。本記事を例に2つの視点から記事タイトル作成してみます。
- 人からの視点
- Webデザイナーが施すSEO対策8選
- Googleからの視点
- SEO対策 – Webデザイナーが施す施策8選
人からの視点を考慮するなら、『Webデザイナーが施すSEO対策8選』のように、一つの文章で簡潔にまとめる方が認識しやすいです。
Googleからの視点を考慮するなら、『SEO対策 – Webデザイナーが施す施策8選』のように、メインとするキーワードをタイトル先頭におき、補足する文章を後に添える方が認識しやすいと言われています。
ただ、一つの文章で簡潔にまとめてもGoogleは本文と合わせて的確に認識しているようなので、あまり気にしすぎなくても良いようです。
私は、公開後、一定期間内で『人からの視点』と『Googleからの視点』をそれぞれ試して、アクセス流入の状況を確認しています。
あと、もう一つ考慮するのが、SNSです。SNSで一定の影響力があるアカウントを持っているのであれば、SNSでのタイトル表示にも気をつけるべきです。
これは、ページタイトルを設定する<title>
タグの他に、<meta property="og:title" content=" ページタイトル">
で設定できます。検索結果での表示とSNSでの表示を変えることができるので、対象に合わせてタイトルを設定しておきます。
2, メタディスクリプションの最適化
メタディスクリプションはページ説明文のことです。検索結果ではタイトルの下に表示される重要なコンテンツになります。
ここでもメインとするキーワードを含め、『人からの視点』と『Googleからの視点』で説明文を変えながら分かりやすい文章にしていきます。
Google検索結果でメインとなるコンテンツは、タイトルとメタディスクリプションです。また、サイト管理者がある程度調整できるのも、タイトルとメタディスクリプションです。
この2つを調整しながら、サーチコンソールを使ってユーザーがクリックする確率を見ていきます。
なので、SEO対策にはサーチコンソールが必要です。
3, 内部リンクの最適化
サイト内のページを相互にリンクすることで、ユーザーの利便性が向上します。また、Googleのクローラーがサイトの構造を理解しやすくなります。
内部リンクを最適化することで、ユーザーの滞在時間やPV数を増やすことができます。
ヘッダーやフッターにナビゲーションを設置するのはもちろん、モーダルを使用したサイト内リンクのリストを作成するのも良いと思います。本サイトの右上にあるボタンをクリックして表示されるのがそうです。
私はPV数よりもユーザーの滞在時間の方が重要と捉えているので、目的の情報を探しやすくするためにもモーダルのメニューは常時表示させるようにしています。
4, 外部リンクの取得
外部サイトからのリンクは、Webサイトの信頼性や検索順位に影響を与えると言われております。
ただ、どんなサイトからのリンクでも良いというわけではなく、ある程度権威のある人が運営しているサイトや、業界内で影響力のある人が運営しているサイトからのリンクが求められます。なので、難しい条件です。
私は、ありがたいことにSNSでのフォロワー数がそれなりにありますので、SNSでシェアして記事の露出を増やし、被リンクを集めています。
また、はてなブックマークでシェアされて、こちらでも被リンクを集めることができております。
これらがGoogleの順位にどのくらい影響を与えているのかは分かりませんが、私が被リンクの獲得で意識しているのは主にこの2つで、前提で紹介した記事も同様です。
5, 構造化された見出しの使用
構造化された見出しは、ページ内コンテンツを効率的に取得できます。将来のお客さまとなりえる人にも、Googleにも効果的です。
HTMLタグには他にも文章やリストなどのタグがあり大切ですが、それらよりも見出タグ<h2>
<h3>
<h4>
の方が重要です。
各セクションを象徴する見出し文章を作成し、構造化してコンテンツを構築します。
6, 見出しに適したコンテンツとHTMLタグ
見出しを詳細に解説する文章や画像を作成し、ユーザーが読みやすい構成にします。
その際、見出しのセクションでもふれましたが、HTMLタグを適切に記述することは大切です。
- 段落は
<p>
- 箇条書きリストは
<ul>
- 順番リストは
<ol>
- 説明リストは
<dl>
- キャプションが付けられる図要素は
<figure>
- 他サイトのコンテンツ引用は
<blockquote>
頻繁に使うのはこれらです。
すべて<div>
で記述しスタイルをつけるのではなく、適切なHTMLタグを使用してGoogleがコンテンツを認識しやすい環境にするのはとても大切になります。
7, 構造化データの出力
構造化データを使用することで、Googleはより正確な情報を取得し、より質の高い検索結果を提供することができます。
構造化データは、マイクロデータ、マイクロフォーマット、JSON-LDの3つの形式がありますが、Googleが推奨しているのはJSON-LDなので、私が現在マークアップしているのはJSON-LDです。
構造化データを使用すると、Webページ内の特定の情報をマークアップすることができ、Googleがこの情報を読みとることで、ユーザーに正確かつ適切な情報を提供することができます。
本記事の2章『メタディスクリプションの最適化』で解説しましたが、サイト管理者がある程度調整できるのは、タイトルとメタディスクリプションです。しかし、この構造化データでマークアップすれば、よくある質問を追加できます。
よくある質問に訪問者にとって質のいいコンテンツを掲載すれば、クリック率を上げることができます。
構造化データは、SEO対策の重要な要素の一つと考えています。ページに必要な情報を適切にマークアップすることで、ユーザーにとってより良い検索結果を提供し、結果サイトのランキングに影響させることができるはずです。
8, モバイルフレンドリーなデザイン
PCよりもモバイルでの閲覧は多いので、狭い画面であっても読みやすく使いやすいデザインは必須です。
業界にもよりますが、すべての画面サイズでモバイルデザインを採用し、PC表示時には背景やナビゲーションを追加したデザインにしているサイトもあります。
ターゲットに合わせるとともに、既存のサイトであれば実際のアクセス状況をみて、もしモバイルアクセスがほとんどを締めているのであれば、先に紹介したサイトのようにモバイルデザインを主軸とするのもいいかもしれません。
9, ページ速度の最適化
ユーザー体験を向上させるのに大きな要因となるのがページの表示速度です。
ページの読み込み速度が遅いと、ユーザーはウェブサイトを離れる可能性が高くなります。ページ速度を改善することで、ユーザー体験を向上させることができます。
ページ速度の最適化が検索順位を上げる直接の要因となるかは分かりません。しかし、ユーザーの体験向上から検索結果でのクリック数が増え、間接的に検索順位に反映することは体感しています(もちろん質のいいコンテンツがあることは前提です)。
どんなに良いコンテンツがあったとしても、ページの読み込み速度が遅いのはストレスです。Googleからの視点もそうですが、将来のお客さまとなりえる人のためにも、ページ速度の最適化は施しておきたい施策です。
ページ速度はPageSpeed Insights で確認しています。
スコアの基準は制作会社それぞれに指定すべきと思いますが、私は50から60を最低ラインとして目指すようにしています(クライアントの要望であれば高スコアにします)。
もちろん80、90にする方がいいのですが、スコア達成のためにコンテンツの質を下げるのであれば、それは本末転倒です。
多くの画像を用意し、動画で解説し、ボリュームのある文章で説明した方がユーザーにとって最良のコンテンツなのであれば、私はPageSpeed Insights のスコアよりもコンテンツを重視します。
SEO対策に関するよくある誤解
記事本文内で紹介できなかったSEO対策に関する誤解について、よくある質問形式で紹介します。
Webサイト制作内でSEO対策すればすぐ上位表示されますか?
- Webサイト制作内だけでは、すぐ上位表示は見込めません。SEO対策は運用ベースでの対策です。よって、サイトを公開してからの運用次第になります。
ただし、既存サイトがあり、すでにSEO対策を施しているが結果が出ていない状況であれば、リニューアル後、短い期間で上位表示になる可能性はあるかもしれません。それは、リニューアル前までに対策していた施策内容や状況で変わるので、制作内の施策だけで上位表示を見込めるかの判断は難しいです。
SEO対策は短期で結果を求めることはせず、長期視点での運用をおすすめします。
メタキーワードを考慮するといいと聞きましたが本当ですか?
- 以前は、メタキーワードがページのランクに重要であると考えられていましたが、現在はほとんど無視されるようです。私の制作では記述していません。主要キーワードは、タイトルやメタデスクリプション、ページ見出しや本文内に自然なかたちで記述します。
キーワードの出現率が重要であると聞きましたが本当ですか?
- 以前は、キーワードの出現率が重要と捉えられていて、全体のキーワード数の3〜4%程度が最適というノウハウはありました。しかし、現在の検索エンジンは、ページの内容の品質、質、及びその他の要因を考慮するため、キーワード密度にはあまり重点をおいていません。該当のキーワードが一切なくとも、関連キーワードでしっかり解説されているページが上位表示された、などといった話もあるくらいなので、キーワードの出現率はもはや目安程度で見ておき、コンテンツの質を重視すべきです。
リンクは数が重要であると聞きましたが本当ですか?
- 以前は、リンク数が多いほど、ページのランクが上がると考えられていました。しかし、現在の検索エンジンは、ページの品質、信頼性、権威性などの要因を考慮するため、リンクは質が重要です。多くのリンクが低品質であれば、ページの順位は下がる可能性があるので注意が必要です。
一度上位表示されれば順位が下がりませんか?
- 順位は常に変動があると認識していただいた方がいいです。競合も上位表示を狙っているので、ページコンテンツの質を上げて順位を上げる施策をおこなっています。何も対策を施さなければ順位は下がる可能性があるので、継続的なSEO対策が必要です。
今回はWebデザイナーが施すSEO対策について紹介しました。
ここで紹介したTipsは初歩的な内容ですが、最低限必要なものでもあります。
あなたが提供しているSEOの施策で足りていないものがありましたら、ぜひ実施してみてください。